2012年4月5日木曜日

#001 - 1990.4.5 NHK FM Music Square

初めまして!えー今日から、毎週木曜日、皆さんのお相手をさせていただくことになりました布袋寅泰です。えー僕の音楽をどっかで耳にされた方もいるかもしれませんが、全国の皆さんにこうして??から話かけるというのは、きっと初めましてだと思います。えー音楽というのは自分の気持ち同様に楽しくさせてくれたり悲しくさせられたり考えさせられたり忘れさせてくれたり様々なヴァイブレーションを与えてくれるものです。この番組もそういった感情の流れにね、逆らわないような、いわば喜怒哀楽主義とでも申しましょうか、そんな感じでお送りしたいと思っています。

えーレコードというものが商品として売られるようになってからもう100年近くの月日がたった といわれています。ということはねー、それこそ星の数ほどの曲がその歴史の中で、まー光の大きさは大なり小なり、んー輝き続けているということです。その輝きの度合いというのは人それぞれ違ってくるものですけれども、その時の気持ちにフィットしたっていう曲はね、何があっても生涯忘れることのできないものになってしまうものだったりします。この番組が皆さんにそういった出会いを提供できるような番組になれれば、本当にすばらしいなーと思っていますし、えーいっぱい良い曲を選りすぐって毎週かけていきながら僕自身も忘れかけていた気持ちとか 、また新たな出会いとかをね、皆さんと一緒に味わっていけたら本当に最高だなーと思っています。

まず、今回は僕、布袋寅泰の趣味をさらけ出すということで、この毎週木曜日お送りするこの番組のカラーを伝えていきたいと思っています。

えーマイカウントダウンということでですね、今回はえーと3曲選んできましたけれども、えー僕は、ま、ギタリストなんですけれども、ギターを弾く気持ちにさせてくれた凄い影響力,もう中学生の頃ですね、僕に凄い強い影響を与えてくれた3曲を紹介したいと思います。

えーと、 グラムロックに凄い影響を受けまして、ロックのなんていうんですか、煌びやかな、もうカッコいい!っていうそのところに惹かれてギターを手に取ったわけなんですけれども、 一番初めの衝撃を受けた曲をまず聴いてもらいたいと思います。Tレックスメタル・グルー

Metal Guru / T.REX


メタル・グルーでした!えー本当に気持ちがね、その頃の気持に、この曲を聴くと戻っちゃうんですけれども、えーギターを持って鏡の前でね、お母さんのコートかなんかを着込んで、もうギターの練習よりもまず格好をつけることから入った僕としては生涯忘れられない1曲です。

次にお送りするのがモット・ザ・フープルというバンドなんですけれども、ヴォーカルのイアン・ハンターっていう超変な人を中心に、またバンドのメンバーもみんな変な人だったんですけれども、なんか煌びやかなね、えーグラムロック特有の凄い煌びやかな中にも、なんかどっか退廃的な雰囲気なり匂いをもったバンドで、なんかそこがまた対照的な、 うーん、なんちゅうの、音と対照的なところで僕には魅力的に映りました。この曲も随分聴いたな。 本当にレコードが擦り切れるくらい聴きました。大好きな曲です。聴いてください。モット・ザ・フープルゴールデンエイジオブロックンロール


The Golden Age Of Rock'N'Roll / Mott The Hoople


はい!もうギターソロなんかね、本当にもう自分の、今の自分のギターに照らし合わせてみても本当に強い影響を受けたんだなと思えちゃったなっていう感じの本当に僕にとって大きい影響を与えてくれたバンドです。

グラムロックっていうのは、すごいそういう非日常的な部分みたいなのを香らせるっていうところで、なんか 演出していった部分があるんですけれども、ロックの本質っていうのは、うん、凄い現実的なものだったり、そういう本当に現実から離れた非日常的なことだったりを、なんていうのかな、こちらに感じさせてくれるみたいな、そういう夢のあるところが僕は凄い好きです。

次に紹介するのがデヴィッド・ボウイなんですけれども、この人も本当にコロッコロ、コロッコロ変わって、まあ節操がないっていえば節操がない人なんですけれども それがいつも凄い演じきれているというところがね、彼の一番の魅力だと思うんですけれども、そのまぁ いろいろ生きていきながらいろんなこと感じながら、その変化することを畏れない、というところを前向きに歌ったというところでは 凄い偉大な人だと思います。

そんな彼の中でも凄い好きな曲はたくさんあるんですけれども1曲選ぶのは凄い難しいんですけれども、いつかまた特集かなんかやってみたいなーと思っているんですけれども、とりあえず今日はデビッド・ボウイの数多い名曲の中からチェンジズという曲を聴いてもらいたいと思います。

Changes / David Bowie


えー次に紹介するのはロキシー・ミュージックなんですけれども、本当に大好きなグループで、えーなんていうんですか、ロックにおけるダンディズム、まーブライアン・フェリーを筆頭としてそういうものを追求したバンドなんですけれども、えー後期のレーベルではナチュラルなアヴァロンに代表されるナチュラルなウェイブを中心に音作りをすすめていったバンドなんだけど、 デビューしたては、もう本当にアヴァンギャルドな、ピンク・フロイドとシャナナが混ざったというコピーでデビューしたバンドで、本当にド派手なバンドで、どちらかというと初めのほうのレコードの方が好きかな。えーロキシー・ミュージック、その中からカサノヴァを聴いてもらいたいと思います。

Casanova / Roxy Music


はい、音楽というものはね、本当に、時には、本当に夢見心地にさせてくれるような曲とかってありますでしょ?そういうの、僕は凄い好きで、えー凄いハードなものが好きな反面、逆になんかロマンティックなものに憧れてしまう自分みたいなね、でもそういうのって言葉にしたりとか、感じたりとかすると、すごい両極端なんだろうけど、きっと自分を構成している中のとても大切な部分というところだよね。なんか見失っちゃいけないような気もしますし、大切にしていくべき感情なんじゃないかなと思います。

次に紹介する2曲は、そんな気持ちにさせてくれるアーティストの曲を2曲続けて紹介したいと思います。トッド・ラングレンで夢が永遠に続きますようにという曲です、ア・ドリーム。ゴーズ・オン・フォーエヴァー。そしてELOテレフォン・ライン

A Dream Goes On Forever / Todd Rundgren


Telephone Line / ELO


はい、えー夢とね現実というものは、常になんか裏腹にあって両方いっぺんに掴もうと思ってもなかなかそうもいかないしですし、でも夢見ることを忘れちゃうとね、現実が見えなくなったり、また現実から逃げているとどこまでが夢か分からなくなったりとかして、すごい難しいところですよね。でも永遠のテーマだと思います。

次に紹介するのはルイス・フューレイって人なんですけれども、本当にすごいデカダンスの塊っていう人でね、気分が沈んでる時に聞くと、もう、それの倍くらい沈ませてくれる人なんですけれども、 なんか音楽ってそれでいいと思うんですよね。 沈みたいときは、その曲で思い切り沈むなり、泣きたいときは、その曲で思い切り泣くなり、まー 元気づけてくれる曲もある訳だし、また、元気な曲ばかり聴いてると頭、逆にはねてきちゃたりすると、なかなか辛いものもあったりなんかしちゃったりなんかするもんで、とにかく、このルイス・フューレイっていう人の曲を聴いてください。ハスラーズ・タンゴ

Hustler's Tango / Lewis Furey


はい、えー、ずっとB級ポップ、いわゆるB級ポップっていう感じの曲を紹介しているわけですけれども、次に紹介するのはもうそのB級ポップの大御所たるバンドで10ccというグループなんですけれども、えー彼らの曲は1曲1曲が映画を観てるような気分にさせてくれるようなね、なんかすごいイメージをもった音作りと曲作りで聴いてる人を魅了するバンドなんですけれども彼らの曲も本当に、1曲選ぶのは本当に難しい。全部好きだから、かけてたら何日あっても足りないんですけれど、その中でね、 それこそ映画のワンシーンのような、電話を切らないでっていう感じの曲なんですけれども、きっとみんなにも電話を切らないでっていう相手がいると思います。僕にもいますし。そんな気持ちと照らし合わせて聴いてもらうと凄いロマンチックでいい曲です。10ccドント・ハング・アップ

Don't Hang Up / 10cc


えー、その時代時代で音作りのスタイルっていうものはどんどん変化していくものですけれども、好き嫌いは別にして、この時代が生んだ新しいスタイルとでも申しましょうか、えーとエレクトロニクスを中心に音をつくっていくバンドが増えていってますけれども、皆さんも、きっと、これは生のドラムだろ?って思っている音楽が本当は全部機械がやっていたりとか、特にレコーディングスタジオなんかだとほとんど、機械が占めていく割合が増えてきてまして決して無視はできないジャンルではないかと思います。でもなんか僕はそういうなんか生の音を機械で代用をするっていうよりは機械がもつ、なんていうの、独特の、シンセサイザーならシンセサイザーがもつ冷たい質感だったり、そういうものを中心としたバンドのが好きかな?その中でも、とっても、なんていうか創始者みたいな人たちです。クラフトワークポケット・カリキュレイター

Pocket Calculator / Kraftwerk


えー僕は音楽を聴きながら画集とか写真集とか見ながらね、音楽を聴くっていうのが凄い好きで、まークロワッサンにはカフェオレ、ビールに枝豆じゃないですけれども、クラフトワークにはマーク・コスタビっていう人の画集が凄い合うんで、もしよかったら、まーヘッドフォンでもしながら本屋さんにいって立ち読みでもいいですから、一回味わってみてもらったらどうかなと思います。

次に紹介するのはイエローというバンドで数多いエレクトリックポップの中でも一番計算された音作りをするバンドで多くの隠れイエローファンという人もたくさんいると思うんですけれども、その中からタイド・アップ・イン・ギア

Tide Up In Gear / Yello


えーダンサブルな曲を2曲紹介しようと思うんですけれども、えーダンスは僕も好きなんですけど、どっちかっていうと、なんか昔のねファンカデリックとかスライ系のヘヴィーなファンクみたいのが僕は好きで、最近のはよく知らないんですけれども、なんか無理やり踊らされちゃうような曲が多くてね、なんか踊ったあとに、うわっまた踊らされてしまったみたいな気分になるのが結構嫌で最近のはイマイチ好きじゃないかな。

やっぱファンクなりっていうのは、そのうねりみたいなね、グルーヴが一番大切だと思うんで、それがやっぱハートなり体なりに伝わらないとなんか踊れないしね、ただノリのいい曲だけだとなんか踊れないっていう。とりあえず僕が踊れる曲を2曲かけます。 ワイルド・チェリープレイ・ザット・ファンキー・ミュージックプリンスセクシャリティ

Play That Funky Music / Wild Cherry


Sexuality / Prince

えーいろんな音楽をきいていく中でね、本当に衝撃だったのは、ピストルズの出現に代表されるパンク・ロックのムーヴメントだったんですけれども、僕にとってパンクっていうのは・・・うーん、それまではね、どっちかっていうとグラム少年でしたから凄い毛が長くて髪の毛染めてたり、とても、ロックな人だーって感じだったんだけど 、パンクに出会ってからやっぱ髪の毛切っちゃったしね。僕にとっては、だから床屋さんみたいな感じなんですけども。

今日紹介するのはそういったすごい怒れる音楽っていうところを脱したっていうか、パンクはね単なる怒れる音楽っていう概念から解き放たれたグルーヴなんですけれど、もっとポップ・ミュージックとして成り立っているバンドを二つ紹介したいと思います。XTCアー・ユー・リシーヴィング・ミーデフ・スクールタクシー

Are You Receiving Me? / XTC


TAXI / Deaf School

えー次は映画音楽を紹介しようと思っています。皆さんもきっと映画好きだと思いますけれど本当にいい映画を観た後っていうのはね、気持ちすごい良くなりますし、でも、つまんない映画を観た後っていうのは、いまの2時間はなんだったんだろっみたいな気持ちになっちゃたりする時もあるけれども。

僕も本当に家帰って暇なときとかは、ギターを弾いてるか、音楽を聴いてるか、映画を観てるか、その3つの中のひとつで、なんかすごい趣味があってないような、たまに悲しくなったりしますけれども。とにかくでも映画を観たりとか映画音楽をきいたりするのはとても好きです。

そんな映画音楽の中でも、とても好きな曲が2曲ありまして、その2曲を今日かけたいんですけれども、映画っていうのはね、こうなればいいなーとかこうなったらイヤだなーっというこっちの観てる方の気持ちを具体的に映画をつくっている人たちが表現してくれるわけで、なんていうの、自分の夢をそこにダブらせたりとか 夢の延長みたいな部分とかってすごいあるし、逆に自分が忘れかけていたとか、自分が見えなかった自分みたいなもの、映画のストーリーだったりとか、台詞だったりとか、そういう中からフィットさせて考えてみたりとか、感じてみたりとか、なんか映画の見方もだんだん変わってきたかな。

なんか昔はストーリーだけで面白い話だったとか、そういう風に観てたかもしれないけど、最近は、うーん、その人が何を表現したいのかね、たとえば役者さんとか監督さんとか脚本の人とか音楽の人とか、そういう人たちのなんか気持ちみたいなものまでだんだん見えるようになってきて、映画がだんだん楽しく観れるようになってきました。

えーそんなサウンドトラックの中から 僕の好きな曲を2曲聴いてください。メリー・ポピンズのサントラからチム・チム・チェリー麗しのサブリナという映画からメインテーマを聴いてください。

Chim Chim Cher-ee / Mary Poppins-Soundtrack


Sabrina: Main Title / Sabrina-Original Sound Score


いやーいいですね!本当に。映画も凄い興味あるし、出てみたいかなーなんてたまに思ったりするんだけど、ギタリストの役くらいしかないなーみたいな、そんな感じなんですけれども。

えーまーいろんな曲きいてもらいましたけれども、そんな僕の好きな音楽みたいなものが自分の中に一回入ってそれで、その中から、自分なりの表現方法みたいなのを探りながら、ずーっとやってきてるわけですけれども、そうやって僕の音楽自体もすごい変化していってると思うし、成長してると思うんですよね。なんかそういう遍歴みたいなものを自分の音楽になんか重ねていくっていう、なんか、だから、ギター弾いてるっていうのはすごい個人的な感情みたいなものかもしれないけど、凄い自分にとっては、生きていくっていう、生きてるんだなみたいなのってすごい音楽をつくってたりやってる時に一番感じるかな、メシ食ってるときとかよりは。ギター弾いてる時の方が生きてるなって感じはします。

えー次はだから僕のつくった音楽を、なんか差し出がましいんですけれど、聴いてもらいたいと思います。僕はボウイっていうバンドをやっていましてそれが解散してその後ソロ・アルバムを出して、今は吉川晃司クンとコンプレックスというバンドをやっています。

今日は僕のソロアルバムの中からレジェンド・オブ・フューチャーという曲と、それとイギリスで発売された、えー12インチのダンシング・ウィズ・ザ・ムーンライトっていう曲があるんで、これは多分皆さん聴いたことがない曲だと思うので是非聴いてもらいたいなと思います。そしてコンプレックスの新しいシングルで1990、その3曲を続けて聴いてください。

Legend Of Future / Tomoyasu Hotei
Dancing With The Moonlight(12inch version) / Tomoyasu Hotei
1990 / COMPLEX

えー今回は初めましてっていうことで、自己紹介を兼ねまして僕の好きな曲をお送りしました。なんとなく僕の趣味みたいなものは伝わったかなと思いますけども。ま、と言いながらも毎回自分の好きだなと思った曲しかかけるつもりはないんですけども、独りよがりになっちゃうとあまりにも悲しいので皆さんのリクエストや質問にも答えしていこうと思っています。まぁいいことあった人には、それ以上にいい気分になれるようないい曲を選びたいし、失恋とかね仕事のこととかね、なんか悲しいことがあった人には、これ以上涙がでないっていうくらい泣けちゃうような曲を
選りすぐってかけていきたいと思います。泣きたいときだってあるもんね。手紙読むのは好きな方なので、たくさんのお便りを待っています。それにゲストに呼んでほしい人とかいたら、そちらの方も、たとえば大地真央さん呼んでほしいとか、っていうのは自分だったりするんですけど。

ということで今週から始まったミュージックスクエア!

月曜日は渋谷陽一さん。
火曜日は桑田佳祐さん。
水曜日は永井真理子さん。
木曜日、今日が布袋寅泰。
そして金曜日は中島みゆきさん

と、まぁ、超豪華ラインナップ?かどうかはわかりませんが、とにかく今週から始まりました。毎週木曜日の夜はね、いい夢みれるっちゅうお便りがたくさん来るようにがんばっていきたいと思っていますので、どうぞ毎週お聴き逃しのありませんように。

来週はもう春だし、ヤナことみんな忘れさせてくれるようなバーンとノリのいい曲を選んで1時間半ガーンとお送りしたいと思っています。

皆さんと過ごす初めての夜、聴いてくれた 人たちみんなに感謝の本当に気持ちを伝えるのはあまりにもピッタリな曲でお別れしたいと思います。エリック・クラプトンワンダフル・トゥナイト

それでは、また来週のこの時間まで。

お相手は布袋寅泰でした。

皆さん、よい夢を!

Wonderful Tonight / Eric Crapton


紹介された楽曲が収録されたアルバム(一部除)






これらのアルバムは現在も入手可能です。

iTunes Storeで購入可能なOA楽曲リスト
Metal Guru - T.REX
The Golden Age of Rock 'N' Roll - Mott The Hoople
Changes - David Bowie
Casanova - Roxy Music
A Dream Goes On Forever - Todd Rundgren
Telephone Line - Electric Light Orchestra
Hustler's Tango / Lewis Furey
Don't Hang Up - 10cc
Pocket Calculator - Kraftwerk
Tide Up In Gear - Yello
Play That Funky Music - Wild Cherry
Sexuality - Prince
Are You Receiving Me? - XTC
TAXI - Deaf School
Chim Chim Cher-ee - Mary Poppins-Soundtrack
Sabrina: Main Title / 麗しのサブリナ(サントラ未発売)
Legend of Future - 布袋寅泰
Dancing With The Moonlight(12inch version) - 布袋寅泰
1990 - COMPLEX
Wonderful Tonight - Eric Clapton


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