COMPLEXのオリジナル2作品とライブアルバムの3作品のリマスター盤がSHM-CDとしてリリースされました。
リマスター盤といっても、リマスター=いい音、というわけではなく、音圧至上主義が蔓延したために、単純に音圧を上がり迫力は増してはいるものの音の強弱が犠牲となって音の広がりやニュアンスがスポイルされてしまい、リマスター盤が手放しで歓迎されるものでなくなっているというのも事実です。
リマスター盤でいうとCOMPLEX BESTでガッカリした過去があったので、今回も少し不安ではあったのですが杞憂でした。布袋寅泰作品ではおなじみのイアン・クーパー氏によるリマスタリングです。今回印象的だったのはヴォーカルとギターの音に艶が出たように聴こえることです。吉川晃司の声と布袋寅泰のギターが絡み付くように鳴ってるところが個人的に好きだったりするんですが、その魅力が増してうれしい限りです。全体的に音圧が上がり音が明瞭になったものの 『COMPLEX』と『ROMANTIC 1990』それぞれのアルバムが持っていた音のカラーはそのままです。『19901108』ももちろん良くはなっていますがインパクトはやはりオリジナル作品ですね。何度も繰り返し聴いたはずの曲なのに、新鮮味を感じるだけでなく新たな再発見もあったりと満足度は非常に高いです。
それぞれのアルバムの持っていた雰囲気はそのままで、良い音になり、しかもSHM-CDということで、COMPLEXが好きな人ならば是非とも揃えておいた方がよいと思います。布袋さん曰く「最後のCD化」です。ネットワークを使ったPC Audioも徐々に浸透しはじめており、CDという規格の古さから考えて本当に最後でしょう。24bit/96kHz or 192kHzでのハイレゾ音源の配信、いつかくることでしょう。
リマスター盤は各種配信サイトでも配信中です。どのくらい変わったか試しに1曲聴いて判断するのもよいと思います。1998年のリマスターのままなのがcomplex bestで他は2012年リマスターですので、聴き比べてみることをおすすめします。
COMPLEX
ROMANTIC 1990
19901108
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