David Fincher監督による映画「ドラゴン・タトゥーの女」が公開されました。
全世界で大ヒットを記録した推理小説「ミレニアム 三部作」のうちの1作目「ドラゴン・タトゥーの女(原題:女を憎む男たち)」の映画です。ミレニアムは、スウェーデンの作家スティーグ・ラーソン(故人)とパートナーだったエヴァ・ガブリエルソンによる小説でです。ラーソン自身はもともとジャーナリストで、ミレニアムが唯一の作品です。ミレニアムは全10作という壮大なスケールで予定されていたものの4作目を書いている途中で急死。ミレニアムは3部作となり絶筆となってしまいました。ラーソンの死の翌年、出版が決まっていた3作品は出版されるやいなや大評判となり、やがて全世界でも記録的なヒット。そして、2009年にスウェーデンにて映画化され、3作品が公開。こちらも大ヒットを記録した。David Fincher監督による映画「ドラゴン・タトゥーの女」はリメイク版(ではないですが)またはハリウッド版として、スウェーデン版と区別されています。スウェーデン版では原題が小説と同じく「女を憎む男たち」であり、これはミレニアムにおける一貫したテーマであり、ラーソンが小説を通して訴えかけていたスウェーデンにおける差別問題であります。社会福祉が充実し男女平等なイメージが強いスウェーデンですが、そういった世間一般のイメージの陰にある実態は、イメージとは違うようです。 これは、どの国でも同じかもしれませんね。
ハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」では、そういったテーマよりもドラゴン・タトゥーの女こと主人公のリスベット・サランデルという女性の物語としての描かれているように感じられます。Trent Reznor And Atticus Rossによる"移民の歌"と共に流れる映像はリスベットの人生・心の闇を表現したものです。本編への伏線にもなっています。ヴィデオクリップのようなスタイリッシュにしてダークな映像美と音にあったメタリックな質感は、映画のオープニングとしては非常にカッコいいインパクトあるオープニグになっています。もちろんスウェーデン版でリスベット役を演じたナオミ・ラパスは素晴らしい演技でしたが、ハリウッド版で演じたルーニー・マーラの強さと女の子らしさのバランスが絶妙で、映画の最後のシーンでは胸が締め付けられるような気持ちになった方も多いのではないでしょうか。
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