2012年4月25日水曜日

#005 - 1990.5.3 NHK FM Music Square

今晩は! 布袋寅泰です!みんな元気ですか?

今夜のミュージックスクエアは先週お約束したとおりライブ特集ということで放送時間を15分延長して1時間45分間、熱狂と感動のライブでみんなの部屋をコンサート・ホールにしてしまおうと思っています。最後までゆっくり楽しんでください。できれば部屋の明かりをちょっと落として聴いてもらえるとバッチシなんじゃないかな、と思います。

最近はですね、ヴィデオの普及も手伝ってか、だんだんライブ・アルバムっていうもの自体が減ってきた気がしますけども、僕はライブ・アルバムの方が想像力をかき立ててくれる分だけ生っぽくて好きな感じがするんですけども、みなさんはどうでしょうか?僕自身も何枚かのレコードで、その日その時でしか成り立たなかったようなプレイを残しているんですが、今夜はそんな思い出やエピソードを織り交ぜながらね、何曲か聴いてもらおうと思っています。

それでは、はじめに僕の原点であり生涯忘れることのない世界一のバンドを紹介したいと思います。BOØWYでB.BLUE。

B.BLUE / BOØWY

はい!のっけからグッときてしまいますが、皆さんも知ってのとおりBOØWYは1988年4月5日に解散したんですけども、まーその後いろんなところでいろんなことを言う人がやたらと多くて、ずーっと情けなく思ってたんですけど、今だったらちょっとは素直になれると思って BOØWYの曲をかけてます。

少なくとも僕たち4人は文字通りメンバーなわけですから他の誰よりもBOØWYのこと愛してるのは言うまでもありません。

はじめはもちろんボウイのボの字も知られていない、ちっちゃなちっちゃなバンドでね、ライブハウスを自分たちで楽器もって回ってビラ貼ったりして、少ないギャラをガソリン代に充てて、また次の街にボの字を知ってもらうために向かって、まーなんのために6年間がんばったのかと言われたら、きっと成功したかったんだろうねぇ。えー成功っていうのは、まぁお金とか名声とかじゃなくて、 自分らが一番カッコいいと思ってやってたし、ただ他の奴らが気づいてないだけだなと思ってやっていたから認められないのはすごい悔しかったし、みんながBOØWYっていうバンドの良さをね、分かってくれること自体が、俺らの夢見た成功だったのだと思います。それを手に入れたわけだからね、えぇ、喜びっていったらホントに言葉では言い表せないものでした。うん。

4人ともすごいクールなふりが上手な人たちだったからね、あまり表には出さなかったけど、僕なんか、はじめてレコードが1位になった時は、うちで久美ちゃんと盛大にパーティやった憶えがあります。きっとみんなそうだったんじゃないかなと思います。

だから解散の理由っていったてね、やり遂げたっていう実感がすごい強かったし、それだけに、その後何ヶ月かすごいぼーっとしちゃって、どうしたらいいかなっていうか、なんかわかんなくなっちゃったりしたけれども、うん。

よく、だからその解散の理由っていうのも、ヒムロックとの不仲?というんですか、そういうのが原因だという人もいるんですけども、全然そうじゃないです。僕がヒムロックのこと好きですし、えー嫌いな人の横でギター弾けるわけないだろっつーの。だいたいもう僕とヒムロックだけのバンドじゃないんだからね!松っちゃんやまこっちゃんのビートあってのバンドだったわけですから、そんなことじゃ解散できません。うん。

たしかにヒムロックとは後半、会話がなんとなく少なくなっていったけど、まぁお互い成長して自分の道みたいなものをねー探し始めた時だったから今思っても少なくとも解散は僕ら4人にとってはよいものだったと思います。前よりね、少しでも逞しくなったような気がするし、えー雑誌とかレコードとかでたまにみんなの顔見るけど、みんなすごいいい顔してるもんね。たまにキツいお言葉なんぞもありましたが、いいんじゃないかな?BOØWYに対する気持ちは日に日に愛おしくなるぐらいです。えぇ。

でもBOØWYはもうないんだから、でもみんなにもレコードをね、聴くことができるんだから、もうないバンドだからといわず、いつまでも愛し続けてほしいと思います。それでは、僕らの夢が叶った夜、東京ドームから3曲続けて聴いて下さい。IMAGE DOWN,ONLY YOU,DREAMIN'

IMAGE DOWN / BOØWY

ONLY YOU / BOØWY

DREAMIN'  / BOØWY

えー誰がなんといおうと、BOØWYは世界一のバンドだったと今でも信じています。それにね夢はいつかきっと叶うんだっていうことをみんなにも忘れてほしくないと思います。

次は、えー僕の奥さんで、今は布袋久美子に戻っている、山下久美子のライブから、えーstop stop rock'n'rollっていうアルバムなんですけれども、お誕生日の人中心に、まず1曲贈りたいと思います。Happy Birthday...to me。

Happy Birthday...to me / Kumiko Ymashita

はーい、お誕生日の人おめでとう!というわけでですね、皆さんからくるリクエストでダントツに多いのが久美ちゃんでして、今は休業中で毎日家にいます。えーいわゆる主婦業っていうんですか、プラス犬の散歩、犬、ジュリアっていうんですけど、アフガンハウンドのジュリアを飼っているんですけども、犬の散歩と主婦業を中心に元気にやっています。子供が生まれたっていう噂をどっかで聞いたんですけど、どこ探しても家には見あたりません。ジュリアが俺の子供に見えるのかな?っちゅうそんなバカなっていうことで、元BOØWYのメンバーで子供がいないのは僕だけになってしまいました。さて久美ちゃんはいつ復帰するの?というお便りが多いんですけども久美ちゃんもだんだん我慢できなくなってきているみたいです。家の中で大声で歌ってます。えーまだ具体的になんかはじめているということではないんですけども、きっともうすぐみんなの前に歌わせてくれよ~ と現れると思いますんで、そんな時は盛大な拍手で出迎えてあげてください。

そんな彼女の一回目のラストコンサートから今日は聴いてもらっています。えー出会いはね、その時の煌き、だからその瞬間を大切に生きたいっていう彼女の信念がたくさん詰まった曲たちを紹介します。STAY、そしてプリテンダーズのデビュー曲をカヴァーしたKID、そしてstop stop rock'n'rollを3曲続けて聴いて下さい。

STAY / Kumiko Ymashita

KID / Kumiko Ymashita

stop stop rock'n'roll / Kumiko Ymashita

えー久美ちゃんのライブを聴いてもらいました。

さて、布袋さんのライブ特集はまだまだ続きます。えーBOØWY解散後ですね、僕はギタリズムっていうソロ・アルバムを作りまして、そん時に2回だけコンサートしました。なぜ2回だけだったのかっちゅーとね、えー初めと終わりだけっていう緊張感をね、初日と千秋楽だけっていう緊張感の中でプレイしたかったってこととか、えーBOØWYの余韻をなんか楽しみにされても僕は逆に困ってしまうなーっていうことだったりとか、お客さんが入んないんじゃないかっていう気がしてたってことなど、いろいろあるんですけども、今考えるともう少しやっておけばよかったかなーなんて気もしないこともないです。

だから観てない人がほとんどだと思うので、今夜はそのライブをお送りしたいと思います。一回目の放送のときにかけたイギリスで発売された僕の12インチ・シングルのB面にライブが収められているんですけれども、その中から今日は3曲聴いて下さい。レジェンド・オブ・フューチャー、未来の伝説っていう曲ですね、 それにパワー、カモン・エヴリバディ。

Legend of Future /Tomoyasu Hotei

Power / Tomoyasu Hotei

C'mon Everybody / Tomoyasu Hotei

はーい!興奮届いてますか?僕もなんか緊張してきました。えーステージに上がるときはね毎回緊張するもんね。まー僕にとってのステージっちゅーのは、その名のとおりステージでして、えー聴いてるみんなもそれぞれのステージでがんばってるわけでして、学校いってる子はね学校がステージだし、会社いってる人は会社がステージで、毎日がステージ!うん、いいことをいう、いいことをいう!すばらしいっていうことで、僕のギタリズムのステージは東京と大阪でしかやらなかったんで、えーこの電波は日本中に流れてるっていうことで、今日は何曲か歌わせてもらおうかなってことでギター持って来たんです。弾き語りです!渋い!それではギタリズムから(録音ミスで少しかけております)

Glorious Days-Acoustic Version / Tomoyasu Hotei

Strange Voice-Acoustic Version / Tomoyasu Hotei

A Day in Autumn-Acoustic Version / Tomoyasu Hotei

はい、ギタリズムの中から、グロリアス・デイズ、ストレンジ・ヴォイスそしてア・デイ・イン・オータムという曲を聴いてもらいました。はい。恥ずかしい!どうでしたか?後で俺も聴いてみよう!

さて、そして僕はですね、今に至るわけですけれども、今僕は吉川晃司と一緒にCOMPLEXというのをやっています。彼は本当にいいやつで弟みたいな存在なんですけれども、今度ね、またゆっくりここに来てもらってずーっといろんな話をしたいと思うんで、今日は呼んでないんですけれども。

COMPLEXももうすぐツアーが始まります。ROMANTIC1990っていう作品はもう聴いてもえましたでしょうか?かなり力いれて作ったんで きっとみんなにも気に入ってもらえるんじゃないかなと思っていますし、逆にすごい自信もあります。

COMPLEXはライブ・ヴィデオしか出ていないんで今夜はその中からちょっと聴いてもらいたいと思います。3曲続けて、クロックワーク・ランナーズ、キャント・ストップ・ザ・サイレンス、恋をとめないで。

CLOCKWORK RUNNERS / Complex

Can't Stop The Silence / Complex

恋をとめないで / Complex

はい!今夜は東京ドームからね、ライブハウス、NHKまでいろんなところからお送りしておりますが、ここでちょっとお葉書紹介します。えーと
 「ホテさん、こんばんは!(ホテイですけど。)ホテさん、こんばんは。4月19日初めてホテさんのラジオを聴きました。ホテさんの声って本当に素敵。すごく優しくて聴いていてドキドキしちゃいます。(げげ!)さて曲のことなんですけども、とても良かったです。なんだかわからないけれども涙が溢れてきました。なんだか分からないけれどもとってもロマンチックな気持ちになってしまいました。私はまだまだ音楽に対して勉強不足なのでいろいろ教えてください。
これはですね、東京のヒグチエリちゃんからですね。

そして
こんばんは!いつも放送を楽しみにきいています。本当に木曜日が待ち遠しくて、まだかなぁと思いながら1日を過ごしてます。(僕もです!)私はまだそんなにいろんな曲やアーティストを知らないので、もっと幅が広がればいいなと思っています。 布袋さんの声も大好きだし、作る曲も大好きです。どこがいいってはっきりいえないんですけど、なんか私の気持ちにくるものがあるんでしょうね。 それに布袋さんが選んでくれた曲なんかもチェックしていいなと思ったらレンタル屋にいって(お金がないんです)借りたりしています。これからもいい曲いっぱいかけてくださいね。楽しみにしています。それでは、また。
どーも! これはミカさんからですね。

そして、
布袋さん、はじめまして!布袋さんのラジオは毎週毎週すごく楽しみにしています。早速話にはいるのですが、私、今年高校に入りました。やっぱり最初ってなにかと不安になるものですよね。友達関係とか、勉強面はもちろん恋愛面でも。 そして、この前ラジオで布袋さん色々言ってくれましたよね。がんばれ!とか最初からそんな気持ちじゃダメみたいな。そして、その言葉が私にとっては励みになったわけです。一言一言が私に勇気を持たせてくれて。
えーそういう風に受け取ってもらえると、うれしいですね。これは愛知県のヒワタシヒロミちゃんからですね。

そして、もう一通。
こんばんは!木曜日担当の布袋寅泰さま、毎日毎日9時から10時半までゆっくり拝聴したいのですが、それほど時間もなく、しかし木曜日は是が非でも聞いています。(ありがとうございます!)またその1時間半のラジオ番組はすべて テープに保存している次第です。番組が始まってまた一段と生活に張りがでてきました。(生活に張りがでてきた!)今後も布袋寅泰さまなりのカラーで進行をしていってください。心から一生懸命応援していきたいと思います。本当に木曜日夜9時が待ち遠しくて仕方ありません。リクエストは布袋さん関係ならば何でもいいんですが、BOØWY時代から現在に至るまでの曲すべて。(うん、じゃ今日は結構それに応えた形になったかもしれないですね!)こういう葉書を書くのは産まれて初めてです。すごくあがっています。これを機会にチャレンジしていってみようと決心しました。本当によろしくお願いします。
うん、みんな読んでますから、是非ボンボン送ってくださいね。

もう一個
布袋さんと布袋さんのつくる曲。友達。友達と遊ぶこと。 学校。音楽をきくこと。中学校の先生、窓際、みんな好きです。好きなものがいっぱいあって嬉しいです。
これは山口県のオカダナオコさんから。うん、好きなものがいっぱいある人は、俺も好きだなー。なんかみんな嫌いだっていう人は俺もイヤだな、なんか。みんな好きっていう考え方のほうが、すごい、なんていうんですか?いいんじゃないでしょうか?はい。本当にお便りどうもありがとう。

さて、みなさんはベット・ミドラーっていう人、知っているかなぁ?最近はビーチズっていう映画のヒットで知られている人なんですけれども、もともとは女優さんじゃなくて立派な歌手でして、え-言葉とか感情とか大切にする分だけ歌や彼女の人生そのものが、まるでなんていうの?長編の映画の一遍とでもいえる人でして、とっても好きです。聴いているとすごい切なくなる反面すごいやる気にさせてくれるっていうか。うーん、でもこの曲聴くといつも泣いてしまうんですけれど、今日は人がたくさんいるし泣かなくても大丈夫そうです、はい。じゃあベット・ミドラーのローズっていうサウンドトラックの中から、これもライブなんですけれども、2曲聴いてください。ホエン・ア・マン・ラブズ・ア・ウーマン、男が女を愛するときという曲とステイ・ウィズ・ミー。

When A Man Loves A Woman / Bette Midler


Stay With Me / Bette Midler


いやーいいですね。へへ。さて、時間が過ぎるのは本当に早いもんで、さらにねーライブ特集ってことで、 あっという間にお別れの時間がきてしまいましたけれども、えー僕の方もツアーが始まるので、みんなと再会、または出会う日も近いと思うと今からホントに楽しみです。えーっということで、今夜も楽しんでいただけたでしょうか?ライブはすごくいいしライブは僕も好きだなー。 みんなも足を運んでなるべく生の空気に接してもらいたいと思います。

来週はですね、ゲストに花田裕之さんを迎えて、彼のファースト・アルバムを中心にロックンロールをガンガンかけたいと思ってます。

さて、えーと今夜のラスト・ナンバーになってしまいましたけれどもホントに数多いライブ・アルバムの中で僕はすごい一番好きなアルバムです。まぁ自分のやったやつは抜かしておいて(笑)ベット・ミドラーのローズっていうライブ・アルバムの中から、えーと、ローズっていう曲を聴きながらお別れしたいんですけれども、みんな、えー、ちゃんと元気に生きていてください。

また、来週この時間に会いましょう!よい夢を、おやすみー!

The Rose / Bette Midler





この日放送された弾き語りによる3曲はHOTEI MEMORIAL SUPER BOXには収録されませんでした。1988年の代々木のライブ音源はDANCING WITH THE MOONLIGHTの12インチ・シングル以外ですと、GUITARHYTHM IIのアナログ盤とカセットにのみ収録となっておりますが、DVD「HOTEI LIVE JUKEBOX」にPower~C'mon Everybodyの映像が収録されております。




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